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桐たんすのカビと黒ズミについて

 桐たんすについて豆知識

桐たんすは永く使えるのが最大特長のひとつですが、長期間使用して起こり得る「カビ」と「黒ずむ」2つの大きな問題について述べてみます。

 

桐たんすのカビとそのお手入れについて

桐たんすはお客様の使用する環境とお手入れの度合いに依り、カビが発生することがあります。特に湿度の高い状況下で、永い期間、乾拭きのお手入れを怠ると、表面にカビが出る確率が高くなります。また雨の日に外出から帰宅して濡れたまま衣服をそのまま収めると内部にカビが出ることがあります。基本的に桐たんすのカビは桐の表面が湿気を吸いかつ表面に埃がついていると、カビが発生する原因となります。

つまり弊社は納品時、またお手入れ用紙にも記載しておりますが月に1~2回のお手入れ(乾拭き)の重要性を常時お客様に訴えております。乾拭きの効果は、カビ発生の初期段落でカビの菌を拭きとることです。よって定期的なお手入れをすることにより、いつまでもカビの発生を防げます。

但し、内部のカビについては、外出から帰宅時に、衣服を完全に乾かしてから桐たんすに収めることに尽きます。

カビ外部

カビの発生(表面)

カビ内部

カビの発生(内部)

桐たんすにカビが発生した場合の対処について

 イ) 軽度の場合

まだ表面にカビの菌が発生したばかりなので、前述定期的に乾拭きを丁重に行うことより現状の状態を保ちそれ以上、カビが酷くなることは通常ありません。

 

軽度のカビ発生       軽度のカビ発生

 ロ) 中度・重度の場合

桐たんすの表面にかなりの酷い状態で、もしくは重度のカビが出たときは自力での修復は難しいと思います。桐タンス専門店へのご連絡をお勧めいたします。専門店でカビの除去をご依頼いただいた場合、中度・重度のカビは、洗い作業だけでは除去することは無理なのでカンナによる削り作業を行い、カビの菌そのものを除去します。所謂桐たんすの削り作業が必要となります。またその削り具合は、カビの菌の侵食状況によりますが、もし余りに酷い場合は表面の柾材を貼替える作業を行います。弊社に於いては、豊富に桐の国産柾材を所有しておりますので、他社で削り作業を行う場合でも極力新しい柾目に交換するのが強みです。またその方が費用的に安く上がる場合もございます。

 

 

軽度のカビ発生       中~重度のカビ発生

中度・重度のカビが発生している方は「箪笥の松本」へご連絡下さい。

専門のスタッフが、お客様の桐箪笥の状況にあった修復方法をご提案させていただきます。

商品に関するご質問など
お気軽にお問い合わせください!

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柾材

桐の柾材

 

弊社に於いては、中~重度のカビ処理工程は、今は亡き伝説の仕上伝統工芸士 会田勝平の愛弟子 会田公造及び
春日部の仕上名人 岩崎洋が丁重なカンナ掛けを施行致します。

会田

仕上士 会田 公造氏

岩崎

 仕上士 岩崎 洋氏

そしてカビを完全に除去してから、トノコや時代などの仕上作業に入ります。

 

防カビ剤について

桐たんすカビ発生を防ぐ手段として、近年開発され市販されている防カビ剤(数種類有り)はその長所と短所を兼ね備えております。長所は、各種の理由で、乾拭きのお手入れができない方には重宝しますが短所としてはその仕上がり方が、当初の出来上がりに比べて暗くなる(黄色味が増す)ので、一見すると汚く映ることです。弊社に於いても最近そのクレームが発生しました。 また、桐たんすの根本の話になりますが桐の持つ通気性という特性を最大限に生かすなら全く仕上げをしない桐の木地のままが1番良いのですが、それでは味気ないので、トノコという岩石の粉でお化粧をします。本来ならこの状態をお奨めしたいのですが、手に依る汚れという桐たんす最大の難関の為に防水加工とロウ引きという工程を加えます。この時点で若干桐の通気性は損なわれますが、の汚れ防止、撥水の為にはやむを得ない処理と思います。しかし、もう添加や加工はここまでにした方が、桐材本来の特性を生かす為にも良いと思います。私の持論としては、桐たんすのカビ発生は日頃の愛情をかけたお手入れが必要不可欠でそれにより大多数のカビの発生は防げると思います。(松本義明)

 

桐たんすの「黒ずみ」について

永年使用した桐たんすが黒ずんでくる現象について説明致します。

新品の桐たんす

新品の桐たんす

黒ずんだ桐たんす

黒ずんだ桐たんす

桐材のなかには、タンニン、パウロニン、セサミンという樹液が多く含まれております。実はこの樹液が防虫効果を発揮するのです。但し、この樹液成分は永い期間、空気に 触れると桐材を淡黄 黄 薄茶 濃茶 黒色に変色させるのです。

 

この樹液は昔より職人間では「アク」と呼ばれており、木材乾燥の時点でいかに桐材から抜くか、いろいろな研究や試みが行われてきましたが、逆に桐材から全てを抜いて しまうと、材質が劣化(ツヤがなくなり粘りも消える)すること

が判り、ある程度、製品化してから桐材のなかに残すことの必要性が論じられてきました。 そこで、丸太で1年引いて板にして2年の計3年間の自然乾燥がbestであるというのが今の桐業界の定説です。 以前、桐たんすが売れに売れた時期(1970年~2000年頃)はその木材乾燥を十分に行わず製品化した桐たんすが多く出回りお届けして2~3年で黒くなるとのクレームがありましたが 最近は、材料管理が各メーカーしっかりしてきましたので、そのような苦情は少なくなりました。

製品イメージ

このように永年使用してきた桐たんすが前述の樹液により変色してくることは自然な推移であり、問題はありませんが、お客様がどうしても気になる場合は、その部分を新しい桐材に取り替えることをお奨め致します。暫定的な処置として漂泊剤で白くすることもありますが、桐材の為には余り良くありません。(松本 義明)

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