箪笥
2014/12/13

『加茂の旅』Vol.9 松本 義明

a.takahashi
ブログ

☆椿寿荘のご紹介

☆椿寿荘とは田上町の指定文化財で、その昔の越後蒲原の豪農、原田巻家の離れ座敷であります。  そもそも田巻性には二家の豪農があり、地元では七郎兵衛家を原田巻、三郎兵衛家を本田巻と呼び、椿寿荘は  この原田巻家の方で逆のぼれば伊豆下田の豪農 五十嵐氏の末流である本田巻家の次男が原田巻家で、幕末期には石高2600面積で1300町歩の大地主でした。  建坪は約140坪で約880坪の敷地に建っており、明治30年(1897年)当時日本三大名人の一人とうたわれた富山県井波の宮大工 松井角平を棟梁に招いて構想、資材調達にとりかかり大正3年(1914年)から7年(1918年)の約3年半の歳月をかけて完成しました。材料は吉野杉、木曽檜、会津﨔などの銘木を全国から集め釘類を1本も使わず寺院様式を取り入れたその姿は重厚な趣をかもし出しております。また庭は京都の庭師広瀬万次郎のてによるもので、京風の枯山水で三の間、二の間、上段の間と続く座敷に面して主庭が設けられ仏道の理にかなった立派な作りです。

椿寿荘

椿寿荘入口

椿寿荘

椿寿荘入口

椿寿荘

椿寿荘説明看板

椿寿荘

椿寿荘説明看板

椿寿荘

椿寿荘 門の﨔1枚扉

椿寿荘

椿寿荘正面玄関

椿寿荘

庭望

椿寿荘

庭望

椿寿荘

庭望

椿寿荘は、建物の随所に銘木をもちいておりますが、玄関の脇板にも﨔の1枚板を使っており(写真下左)他にも縁側の床板もすべて﨔の一枚板を用いております。現在なら この1枚の﨔無垢板でも数百万円の値段がつきます。

 

椿寿荘

椿寿荘

欅の1枚板

椿寿荘

縁側

椿寿荘

床板の欅の1枚板

また椿寿荘は、室内は銘木のオンパレードだけではなく、部屋の欄間(写真下左)に姿欄間を設けたり、飾り棚は飛騨高山の櫟の無垢材から削り出したり(写真中央)窓ガラスは 故意に凹凸のある大正ガラス(写真右)を使ったりして、また特筆は各所にある障子も角を面取りして「角が立たない」ように工夫しております(写真下右2段目)

椿寿荘

欄間

椿寿荘

飾り棚

椿寿荘

大正ガラス

私が、椿寿荘に行った時は、11月上旬で庭の紅葉も実に見事でした。まさに建物、銘木、庭園、木工物の細工、紅葉等々と椿寿荘は感嘆とため息の連続でした。

 

椿寿荘

マーク

次に私は椿寿荘を後にして田上町の桑原たんす店に向かいました。現在、「加茂の桐たんす」と世間で呼称されておりますが、加茂の隣町の田上町には実に多くの桐たんす メーカーが存在し、多くの職人がおります。


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