桐たんすTOP > ブログ > <夢の作品>「総桐箪笥」と「鎌倉彫」の合作!! 遂に実現へ・・・
箪笥
2016/02/19

<夢の作品>「総桐箪笥」と「鎌倉彫」の合作!! 遂に実現へ・・・

sn.hatano
ブログ

私・松本は桐箪笥に携わって早40年以上経ちましたが、桐素材に蒔絵や象嵌という表面加工の作品は数多く手掛けてきました。が、しかし京都の公家社会に好まれてきた上記の「雅」の加飾とは別に武家社会であった鎌倉発祥の「鎌倉彫」と桐箪笥のコラボに強くこだわってきました。

※鎌倉彫とは
今から820年ほど前、源頼朝が鎌倉に幕府を開いたとき、鎌倉の各地に中国から帰国した僧侶が次々に建長寺や円覚寺などを建てて、中国から持ち帰った彫漆などの器や家具調度品を飾りました。これと同じようなものを作ろうとして、日本の職人が木の器などに彫刻をして漆を重ね塗りしたのが鎌倉彫の始まりです
やがて時代が変わると、寺以外の一般庶民が鎌倉彫の器やお盆、収納箱を広く使用するようになり、その後日本を代表する彫刻技術と漆芸の集大成工芸品となりました。
(昭和54年伝統的工芸品の指定)

kamakura_001.jpg
鎌倉と言えば鶴岡八幡宮

kamakura_002.jpg
鎌倉彫

kamakura_003.jpg
鎌倉彫

私はこのプロジェクトの為に9月初旬、本場鎌倉市の鎌倉彫の資料館やギャラリーを訪れました。

kamakura_004.jpg
外観

kamakura_005.jpg
内部

・鎌倉彫資料館ご当地鎌倉で、最大かつ最強の鎌倉彫に関する展示と資料があります。
常時館内で鎌倉彫の教室を設け、その普及と伝承に大きな貢献をしております。

kamakura_006.jpg
外観

kamakura_007.jpg
内部

・刀華会本部
 鎌倉彫の教室や作品発表会などの貴重な発信地で、館内に刀華ギャラリーを設けております。

kamakura_008.jpg
外観

・鎌倉彫工芸館
 鎌倉彫の教室、販売ブース、ご依頼や相談等、何んでも承る利便性の高い館で伝統鎌倉彫事業協同組合の拠点として活動中です。

今般のプロジェクトについて

本来鎌倉彫りは北海道の桂(かつら)を主材として用いますが私は桐材に是非とも鎌倉彫に代表される彫りを入れたい願望は前述の如く40年余の夢でした。

(ちなみに平成21年8月実施した軽井沢彫家具組合の国内の装飾家具のブランドでお好きなものは?の調査で鎌倉彫は20%というトップの認識と好感度を得ています)

kamakura_zumen_003.jpg
外観

私・松本はまず、別件の用事で軽井沢に行った際、地元の4件の軽井沢彫の工場に伺い、桐に彫れるでしょうか?と聞いたところ4件共「否」と言われてしましました。

kamakura_009.jpg
軽井沢彫

kamakura_010.jpg
軽井沢彫

やはり桐材に彫ったことが無く、その材質の柔らかさと逆目が起き易すいことが拒否の理由でした。

しかしまだ本場の鎌倉彫の職人との接触がなかったので、たまたま池袋東武で開催されていた日本伝統工芸展で「伝統鎌倉彫事業協同組合」の理事にお会いして桐箪笥と鎌倉彫のコラボを提案いたしましたが良い返事は頂けませんでした。

kamakura_shoshi.jpg

困惑した私は最後に頼みの綱として、その昔ダイクラ時代、お互いに修業の身としての後輩である静岡の「湯沢一平商店」に白刃の矢を立て聞いたところ「桐に鎌倉彫を彫ることは可能」という朗報を貰いました。
そこでまず1/10の図面2種をお起こし早速

kamakura_zumen_001.jpg
図面

kamakura_zumen_002.jpg
色付図面

埼玉 大宮の横溝和夫氏に桐箪笥の木地を依頼しました。(実際の製作は同メーカーの木工一級技能士 善村順冶氏が作製)

※ 埼玉大宮の横溝箪笥製作所とはー

弊社とは、まさに運命共同体と言えるメーカーで古くより、弊社から職人を紹介したり、送り込んだりして要の桐職人の育成に大きく係り、また、桐材の選定や製造工程工法、引き出しの仕込み等々はもとより、斬新な新作の提案や企画など、数々の指導やアドバイスに依り、現在関東ではNo.1の桐箪笥メーカーとなりました。

kamakura_011.jpg
当作品制作風景

横溝箪笥製作所は、その作品の優秀なことから、かなり以前より、宮内庁の指定工場の栄を受けております。

kamakura_012.jpg
代表 横溝和夫

9月に入り、桐箪笥の木地が出来上がり早速、私・松本が扉に紅白梅の原図をもとに、6Bの鉛筆、で図柄を書き込みました。

kamakura_013.jpg

kamakura_014.jpg

次にこの、図柄を書き込んだ、扉を前述した静岡の「湯沢一平商店」に持ち込み、湯沢社長と綿密な打ち合わせを行いました。

kamakura_015.jpg
湯沢一平商店

kamakura_016.jpg
湯沢社長

※静岡には 9月28日~29日で出張しました。
9月29日の宿はあの有名な「寸又峡温泉」で、9月29日は、静岡市内の浅間神社に寄ってきました。

kamakura_017.jpg
寸又峡温泉

kamakura_018.jpg
浅間神社

鎌倉彫の扉は10月の上旬に完成し、弊社に送られてきましたので自社の社員が若干の手直しを行いました。

kamakura_019.jpg
弊社にて細部の手直し作業風景

kamakura_020.jpg
弊社にて細部の手直し作業風景

ここで、木地及び扉の鎌倉彫りは完成しましたので、次に漆塗装の為、足立区の、金塗装所にその作業を依頼しました。
(漆塗装一級技能士 金惣一の詳細については弊社HP参照)

kamakura_021.jpg
鎌倉彫総桐箪笥を金塗装所

kamakura_022.jpg
塗り作業中

そして 11月中旬、小生念願の「総桐鎌倉桐箪笥、紅白梅」がついに作品化致しました。

kamakura_023.jpg

kamakura_024.jpg

kamakura_025.jpg

kamakura_026.jpg

kamakura_027.jpg

kamakura_028.jpg

この作品は構想、企画から完成迄40数年余、遂に実現化してまさに感慨無量であります。

 最後に当作品の自評について-

まず、一般的に、鎌倉彫というものは、桂材、ホオ材、桜材に彫るものですが、桐材にここまで大規模の鎌倉彫を施したのは史上初だと思います。
当作品は私の予想以上の素晴らしい出来ばえで十分に満足するところです。

ここで真の逸品に成り得た大きな要因を2つ掲げてみます。

桐材に鎌倉彫をするという、従来のタブーに果敢に挑戦してくれた静岡の名彫師「堅吉」氏に強い感謝の気持ちを禁じ得ません。

何故なら、桐材の場合、その柔らかさと気胞の多い独特の構造から、鎌倉彫りは、容易に逆目(さかめ)や笹くれが考えられますが、堅吉氏は鎌倉彫を従来の縦彫から、横彫に変更し、かつ逆目を極力抑えて見事に彫り上げました。

② 鎌倉彫の扉に画家で絵心のある漆塗装一級技能士 金惣一が紅白梅の梅の花は勿論のこと、木の枝も独自の感性で、色彩感覚豊かに着色してくれたことも、この作品成功の大きな要因です。

総桐箪笥鎌倉彫「紅白梅}

kamakura_029.jpg
総桐箪笥鎌倉彫「紅白梅」

この逸品の完成にあたり、企画から作品化するまでに携わったすべての人物を紹介します。

① 企画:新宿マイスター 松本 義明(弊社代表)

② 桐箪笥製作:埼玉県大宮 横溝桐箪笥製作所 
:木工一級技能士 善村 順冶

③ 鎌倉彫:静岡県静岡市 湯沢一平商店
:彫師 堅吉

④ 漆塗装:東京都足立区 金塗装所
:漆塗装一級技能士 金惣一

⑤ 桐箪笥仕上げ師(金具装着)
:会田公造

⑥ 金具:東京都中央区 西川商店


作品プライス 総桐胴丸大洋下三 二ツ重
      W  D  H
      110×46×173cm

丸盆7枚 内小引(大+小+小)

      価 \ 1,500,000 (税込\1,620,000)


※ 現在弊社四谷本店 ショールーム1Fに大好評展示中です。
是非お越し下さい。



2016年2月18日日記

松本 義明


Facebookで更新情報をチェック!