箪笥
2015/08/28

柴又の帝釈天・題経寺様へ納めた巨大総桐掛軸収納箱の一大プロジェクト報告

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柴又の帝釈天・題経寺様へ納めた巨大総桐掛軸収納箱の一大プロジェクト報告

平成26年12月某日、神宮前に事務所を構える(株)モリモトアトリエの一級建築士 森本伸輝様が、突然弊社ショールームにお越しになり、柴又帝釈天所有のとても重要な掛軸(W78cm×H227cm)を収める収納箱の相談を受けました。
森本様は弊社の他にも、金属業者に金色塗装を施した収納箱のリサーチをしていましたが、やはり湿気を嫌う高級品の収納は総桐に優るもの無し、と言う私のセールスに口説かれて総桐で作ることになりました。(・・・森本様ありがとうございます)

帝釈天外観_1帝釈天外観_1

帝釈天外観_2帝釈天外観_2

ご存知寅さんで全国的に知らない人は居ない「柴又の帝釈天」私も大好きなお寺です。

年が明けて平成27年2月中旬、私と森本様の2人で帝釈天の雑誌編集、広報担当の須山様を尋ね、設置する現場の採寸と視察を行ないました。

帝釈天からの要望は低反射で衝撃を受けても飛び散らないガラスが絶対条件でしたので信頼できる取引先の台東区根岸の日研硝子(株)の穴澤氏と再三検討した結果、10mmの特注合わせ硝子にすることにしました。(重量70kg以上)

日研硝子社屋外観日研硝子社屋外観

作成品図面(正面)作成品図面(正面)

作成品図面(横図)作成品図面(横図)

勿論、総桐の本体と台座は弊社と運命共同体である埼玉 大宮の横溝タンス製作所の社長 横溝氏と綿密な打ち合わせをして、その作業を進めました。

完成品のスケッチ
完成品のスケッチ

また、仕上げは漆塗装一級技能士 金惣一に本体の拭漆しと台座の木地呂磨きを依頼し、額戸のトノコ着色は会田公造に任せました。(両職人の顔写真はHPに記載中)

以上、実際に木取りから作業に入ったのは3月になり、帝釈天には4ヶ月以上の納期を頂きました。

横溝タンス工場内大宮工場での製作途中横溝タンス工場内
大宮工場での製作途中

金 工場内漆塗装工場での作業風景金 工場内
漆塗装工場での作業風景


6月後半~7月上旬になると本体・台座の製作は勿論のこと、各塗装作業も完成しましたが、とにかくこの寸法の大きさはこれまで経験したことの無いサイズでガラスの固定や290cm 近い長さの側の扉の開閉などの工法上の問題と、納品が無事に収まるか・・・等々悩める日々が続きました。

一応、形と仕上げはまとまりましたが問題は290cm丈の扉の建て付けで、まさに扉の反りが心配です。

大宮工場で試しに立てて側の扉の開閉状況の検証場面。総重量が100kg以上あり3回の立てる検証作業は実に難儀しました。


7月の中~後半は、本体側の扉の調整作業に終始し、蝶番の彫り込みや扉の削り作業を行ない、金惣一に再三の漆塗装をお願いして、全ての調整や清掃作業が終了、晴れて8月8日の納品日を迎えるに至りました。

8月8日納品当日

いよいよ4ヶ月半の期日を掛けて完成した巨大総桐掛軸収納箱の納品日です。森本様と弊社社員5人、大宮工場の1人、漆塗装工場1人の計8人で午後5時参拝者の少なくなった帝釈天へ納めに伺いました。夕刻の帝釈天の境内は、独特の趣きがあり、ややもすると釣鐘堂に御前様が存在する様な雰囲気のなか、一番奥の建物にある大客間殿に納品を開始しました。

弊社トラックより作品を降ろすところです。
弊社トラックより作品を降ろすところです。

この大客間殿は、帝釈天のなかでも大奥と言われる由緒ある場所でまさに斎戒沐浴の気持ちで納品作業を行ない、午後7時前に、無事お納め致しました。

大客間殿に納め作業風景
大客間殿に納め作業風景

お納め完了
お納め完了

柴又帝釈天は日本人に最も愛されているお寺のひとつです。今般、この名刹からご注文を頂いたことは歓喜至極であり名誉なことでもあります。HP読者の皆様も、是非この愛されている帝釈天に参拝して欲しいと思います。

最後に、今般の一大プロジェクトに賛同し協力頂いた森本様、須山様に深い感謝と御礼の言葉を述べさせて戴きます。

平成27年8月9日
松本 義明


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